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GKD-08 ベヴァルジェ(2)完成写真

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 こんにちは。林哲平です。

 8体目のケルバーダイン、ベヴァルジェが完成しました。

 ベヴァルジェは9月2日に開催される(有)カイカイキキ主催、GEISAI♯17に出品するために制作したケルバーダインです。

 GEISAI♯は日本を代表する現代アート作家、村上隆氏が主催する芸術の祭典。明日の日本を背負うアーティストを発掘することが目的で、今回で17回目を迎えます。

 GEISAI♯17 ホームページ

 開催日程 2012年9月2日(日)

        10:00〜16:00

  会場   東京都立産業貿易センター台東館 7階、6階の2フロア開催
 
        最寄り駅:各線浅草駅 

 
 制作途中写真を掲載したときにも書きましたが、今回の制作テーマは「失われてしまった郷土玩具たちの怨念」です。

 今までプロモデラーとして培ってきた技術を駆使し、オドロオドロしく、かつロボットとしての格好良さを損なわない塗装表現にチャレンジました。

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 【基本塗装】

 張り子は温かみのあるおおらかな形をしているので、表面はなだらかで比較的のっぺりとしています。

 単色でベタ塗りにしてしまうと味気なくつまらない立体となってしまうので、塗膜を七層重ねた多重構造として完成時に深みが出るように塗装しています。

 一層目 ガイアノーツ サーフエイサーエヴォ ブラックを全身に塗装。

 下地に黒を吹いておくことで色の透けを防ぐことができるので、重量感のある仕上がりとなります。

 二層目 ガイアノーツ ニュートラルグレー(5)

 三層目 GSIクレオス ニュートラルグレー+エアクラフトグレー

     グレーを二重に吹きつけ、少しづつ明渡を上げて行きながらグレーの下地を作ります。
 
 四層目 GSIクレオス RLM71 ダークグリーン+ガイアノーツ ビリジアングリーン

 五層目 GSIクレオス RLM70 ブラックグリーン+マホガニー

     ニシキヘビの模様の意匠を加えつつ、迷彩塗装を施しました。

 六層目 迷彩で隠れすぎたグレーをリタッチ、光の当たる部分に明るいグレーを軽く吹き付けます。

 七層目 グリーンの上に調色した彩度の高いグリーンを軽く吹き付け、全体に鮮やかさを軽く加えました。

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 【紋章】

 頭部と肩の紋章はカエルとドクロを模したもの。

 郷土玩具が戦争や工業化に飲み込まれる様は、まるで蛇に飲み込まれるカエルのようでした。

 赤く浮き上がる、赤いドクロのカエルは失われてしまった郷土玩具の怨念そのものなのです。


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 【黒筋】

 首より下に張り巡らされた黒筋は関節から流れ出る血液とも、黒い筋状の迷彩とも、ヒビ割れともとれるようにシタデルカラーのカオスブラックで書き込みました。

 これは血やヒビ、戦争のための迷彩は死と怨念の象徴であるからです。

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【凹凸を際立たせる塗装表現】

 タミヤスミ入れ塗料のブラックとブラウンで全身にウォッシング塗装を施し、エナメル溶剤で部分的に拭きとって凹んだ部分を強調します。

 そして全身をシタデルカラーのグレーでドライブラシ。凸部分にハイライトを入れて立体感を際立たせました。

 さらに光が当たる明るい部分にはオレンジ、イエロー、レッドで、影になる部分にはブルー、パープルで軽くドライブラシをして陰影を強調しつつ、色数を加えています。

 ベヴァルジェのようなどちらかと言うと地味なトーンの作品には、光の三原色とプリズムや虹でお馴染みの7色をできるかぎり全て使うようにしています。

 こうすることで地味な色合いの作品であっても、ちょっと目をひくポイントや不思議な温かみを加えることができるからです。

 何層にもわたるドライブラシの結果、胡粉で固まった紙のメクレや凹凸が浮き上がり、表面は甲殻類の殻のような様相となりました。

 これは表面をグロテスクにすることで郷土玩具の怨念を強調したかったための表現です。

 胡粉は本来滑らかに塗布するものなのですが、この仕上げにするためあえて表面が凸凹になるように塗りました。

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 全高250mm 全幅410mm 全長410mmと今まで制作したケルバーダインの中でも最大サイズとなりました。

 隣のプロージェと比べるとその違いがよく分かると思います。

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 本業の作例以上に徹底的に塗りこみ、「怨念」というテーマのもと意味や比喩をこめた制作というものは暗中模索といった様相で、製作中はとても悩みました。

 その甲斐あって重みのある、怨念の篭った作品へと仕上がったと思います。

 
 そして…… これがベヴァルジェとして生まれ変わる前の、可愛らしい張り子たち。

 奥さんの経営するネットショップ、はりこのはやしやにて絶賛販売中です。

 はりこのはやしや ホームページ

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 伝統的な技法で一つ一つ手作りされた張り子は今ではそのほとんどが失われてしまいました。

 かつて張り子で制作されていた犬やだるま、招き猫などはプラスチックの成形品へと取って代わられています。

 これを「時代の流れだから」の一言で片付けてしまうのは、とても悲しいことだとは思いませんか?

 情報革命まっただなかの今、新しい創作物や文化が無限に湧き出るかのごとく生み出されています。

 その中で消えてゆくものを、常に忘れないようにしていきたいと私は思います。


 関連記事

 GKD-08 ベヴァルジェ(1)製作途中写真
 GKD-06 バリゴ 完成写真

 
 私、林哲平の創作するロボットを紹介するホームページです。ご覧頂ければ幸いです。

 再生構築機界ケルバーダイン


 こちらは奥さんのブログ。こちらもよろしくお願いしますm(_ _)m

 はりこのはやしや




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こんばんは。

張り子の特徴的な表面と塗装がマッチしていて格好いいですね。
それでいてどこか可愛くもあり、もの悲しくもある。まさに郷土玩具のお化けですね。

塗膜7層重ねには驚きました。
やはり手間をかけると仕上がりも綺麗ですね(当然技術があってこそなのでしょうが)。いろいろ参考になります。

張り子は制作過程も楽しそうなので、自分も近いうちに挑戦してみようかと考えています。

それでは。

コメントありがとうございます。

 コメントありがとうございます。

 郷土玩具はおおらかで丸みを帯びた形のものが多いので、「可愛さ」を残しつつ、おどろおどろしい怪物感を出すのに苦労しました。

 張り子にチャレンジですか!!! とても嬉しいです。

 
プロフィール

林哲平

Author:林哲平
林哲平と申します。物心ついた頃から模型製作一筋。気がついたら模型を生業とする立場になっておりました。現在は総合模型雑誌「ホビージャパン」さまにお仕事を頂くことができ、充実した毎日を送っております。最近はメタルフィギュにハマり中です。連絡はhayashiteppei30@gmail.comまでメールをお願いします。

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